大阪のウォーターフロントと万博会場エリア
事例

大阪・関西万博における防災テクノロジーの実証実験レポート

2026年1月14日11分で読了管理者

万博会場が防災テクノロジーのショーケースに

大阪・関西万博(EXPO 2025)は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、世界最先端の技術を披露する場となっています。中でも注目を集めているのが、会場内で実証運用されている防災テクノロジーの数々です。万博会場の夢洲(ゆめしま)は埋立地という立地特性から、最新の防災技術が数多く導入されています。

導入された主要技術

1. 液状化リアルタイム監視システム

夢洲の地盤特性を考慮し、会場全域に300か所以上の地盤センサーを設置。AIが地盤の含水率、振動、変位をリアルタイムで解析し、液状化リスクを5段階で評価・表示します。地震発生時には即座にリスクマップが更新され、安全な避難ルートが自動的に再計算されます。開発を担当したのは大手ゼネコンと大阪大学の共同チームです。

2. 多言語AI避難誘導システム

万博には約2,800万人の来場が見込まれ、その約15%が外国人来場者です。AIを活用した多言語避難誘導システムが会場全域に導入されており、12か国語に対応。来場者のスマートフォンに位置情報ベースの避難指示をプッシュ通知で配信し、混雑状況をリアルタイムで反映した最適避難ルートを案内します。

3. 自律型避難支援ロボット

車いす利用者や高齢者の避難を支援するため、会場内に50台の自律型避難支援ロボットが配備されています。障害物回避機能と音声ガイダンス機能を搭載し、要支援者を最寄りの避難場所まで安全に誘導します。緊急時には搬送モードに切り替わり、簡易ストレッチャーとしても機能します。

4. 浮体式津波避難施設

夢洲の海に面したエリアに、大阪湾での津波想定に対応した浮体式避難施設が設置されています。津波到達時に自動的に浮上し、最大500人を収容可能。72時間分の飲料水と非常食、衛星通信設備を備えています。世界初の実用型として、海外からの視察団が絶えません。

万博後の展開

これらの技術は万博会場での実証を経て、一般市場への展開が計画されています。特に液状化監視システムと多言語避難誘導システムは、2027年以降に全国の自治体向けSaaSとして提供される予定です。万博をきっかけに、日本の防災テクノロジーが世界標準として認知されることが期待されています。

企業へのインパクト

万博で実証された技術は、防災関連企業にとって大きなビジネスチャンスを意味します。特に、自治体への導入支援、海外展開のパートナーシップ、技術ライセンスなど、多様なビジネスモデルが考えられます。万博協会は実証データを公開する方針を示しており、中小企業やスタートアップにとっても参入の機会が広がっています。

管理者

国土強靱化・防災ビジネスに特化した専門メディア「強靭化Bizナビ」の編集チーム。政策動向、市場分析、補助金情報、導入事例など、ビジネスパーソンの意思決定に役立つ情報を配信しています。